診察室の窓から

2023年4月号『ハルノヒ』に想う
通勤途中のカーオーディオから、あいみょんの未来への希望を込めた曲が流れてくる。長く寒かった冬が過ぎ、花々が咲き活気満ちる春がやってきた。 しかし、患者さんの表情はなんだか晴れない。

2023年2月号「神様のシャッフル」
うちのクリニックはまさに診察室の窓の外の軒下にテントを張り,そこに発熱患者さんに来ていただき、「診察室の窓から」検査をしており、暑い夏、寒い冬も快適に診療させていただいている。 話は変わるが後輩のDrが長い闘病の末に亡くなった。

2022年12月号「知らなかったこと」
1)電気自動車の開発で地球温暖化の速度が鈍化すると思っていたらリチウムイオン電池に必要な資源をめぐって各国が凌ぎを削っていて、南米の塩湖からのリチウム抽出で周辺地域の経済が潤う一方で深刻な環境汚染が広がっている。

2022年7月号「南風」
いよいよ夏本番、診療室の窓は換気のために開放されたままで、クーラーは最強パワーといったところ・・・室温29℃(苦笑)。連日続く猛暑も過去最長記録を更新した。ひとたび破られた記録の壁は、もはや壁ではなくなる。スポーツでよくある現象も気象の話になると怖い。「観測史上」の相次ぐ更新は、出生数から最近の円相場まで異常値になった世の中だ。

2022年5月号「梅雨空」
診察室の窓の窓から見える空も雨模様の日が多くなりました。 もう梅雨の季節に入ったようです。以前から梅の花の季節でもないのにこの時期の長雨を「梅の雨」と書くのが疑問でした。先日、梅雨という字は中国から伝わったときは黴菌の雨、「黴雨」であったのが同じ音の梅雨となったのだと知りました。確かにこの時期はカビや雑菌が繁殖しやすくなります。ただでさえ、うっとうしいこの時期なので「黴雨」より「梅雨」のほうがまだ風情がありそうです。

2022年4月号「定年を迎えた病院勤務医の随想」
40年余り勤めた病院を3月末で定年退職となった。 医学部を卒業して以来、数年間の出向研修や2年間の診療所勤務経験はあるが概ね同じ病院で仕事をしてきた。その間に社会の変化や医療制度の変遷も見てきたが、時代や地域の要請に伴い病院のあり方も変わってきた。中小規模の病院が急性期中心の医療からリハビリ機能や緩和ケア、一部の在宅医療を受け持ち、急性期と在宅(地域)をつなぐハブの役割を果たすように変わっていった。

2022年3月号「バレンタインデー」
前に勤務していた病院のころから開業後もずっと通ってくれている発達障害のある女の子。出会った当初はまだ8歳でしたがもう15歳。思春期真っただ中で普段の会話は少なくなってきました。それでもこの時期になると手作りお菓子をメッセージ付きで持ってきてくれます。今年は「先生はすてきなジェントルマン!」と書いてくれていました。

2021年12月「ワクチンを受けない理由」
すでに3回目のブースター接種が始まった。早速医療従事者から始まり、1月からは高齢者から12歳までの希望者に行き渡り、第6波、オミクロン株に対応できる体制が出来つつある。 そんな中、病気や体調以外で、初回からワクチンを希望しない人が、知り合いの中にも、数人いる。

2021年11月「私事で恐縮ですが」
65歳を過ぎてそろそろこれまでの医師人生のまとめと後継者への交代を計画しなければと考えたのもつかの間の夢でした。 あれから2年が経過して青年医師の時代に戻ったかのような毎日です。午前は外来患者の診察、午後は訪問診療に地域を回り、帰院は19時になることも。

2021年10月「本日の空模様」
換気のために開けている診療室の窓から入ってくる幾分涼しい風を感じるこの頃となりました。診療前に、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」を見ることが楽しみとなっています。安達奈緒子さん原作です。宮城県気仙沼の漁業で成り立っている島出身の主人公モネが牡蠣漁師である祖父の知り合いの山村の山地主の女性の家に同居し、その人の生き方に強い影響を受けながら林業に関わっていくところから始まります。

さらに表示する